2013年10月22日火曜日

印刷博物館

4月から始めたテレアポのアルバイトで飯田橋にしょっちゅう行っているのですが、
暑かったり、いつも到着がギリギリだったりで寄ってみたかったのになかなか行けなかった博物館。
http://www.printing-museum.org/
先日は特別展だけでまだ常設展は見ていないので、近々リベンジしたいところ。

飯田橋には凸版印刷の本社があり、印刷博物館は凸版ビルの中にあります。
印刷というとやはり15世紀のグーテンベルクによる印刷技術の発明が大切みたいですが、
研究をやっていると広告の面白さ、ビジネスでの有効性、芸術性、コミュニケーションなど、いろいろ考えます。
広告は大切な史料です。

館長が西洋史家の樺山紘一というのも納得。

2013年10月20日日曜日

横浜みなと博物館と日本丸

常設展示が充実しています。
開国以降の横浜の開発、
関東大震災後の復興、
そして戦後など体系的に展示されていて、とても綺麗です。
もう2年も住んでいながら知らないことばかりで、勉強になります。
この前は全部見れなかったので、またぜひ行きたい。
http://www.nippon-maru.or.jp/port-museum/

博物館とセットで帆船日本丸も見ました。
日本丸は、1930年にできた船員養成用の(学生向けの)練習帆船だそうです。
1984年まで54年間も運行していたそうです。
帆船(帆のついた船)はもう見かけないですよね~。
姉妹船の海王丸は富山県に記念館があるそうです。
こういった使わなくなった乗り物が記念されているというのも興味深い。
http://www.kaiwomaru.jp/

過去に船上でアルバイトをしていたことがあるので、船を見ると何となく騒ぎます。

2013年10月2日水曜日

少女と夏の終わり、2013年10月1日

直接の知り合いではない人の妹さんが撮ったと聞きつけて、
何となく映画の日に、映画館に行ってきました。

石山友美監督『少女と夏の終わり』(2012年)
http://www.shoujotonatsunoowari.com/
昨年の東京国際映画祭の「ある視点部門」に出展された作品だそうです。

ポレポレ東中野でまだかかっています。

俳優陣に味があり、景色も美しく、よかったです。
思春期の女の子が主役で、実際の女優/俳優さんも思春期に近いので
こういう時期の人に思春期を撮る意図で
カメラを向けるのはどうなのかなー、暴力的ではないかなと思いつつも、
やはりその時にしか出せない際どさがあるなぁ、とも思ってしまいました。

女性の監督だからと理屈をつけるのは浅はかですが、
マッチョないやらしい視線がなく、最後まで嫌な気持ちにならずに見れました。

妙に現実的で、共感できる人物描写などもあり、くすっと笑ってしまうおかしさもあり、
登場人物に愛着を覚える作品です。
ラストも好きだな。

2013年6月3日月曜日

直近の日本語読書リスト。

オンラインからコピペしているので形式が汚い。。
直近の日本語読書リスト。

久保文明『マイノリティが変えるアメリカ政治―多民族社会の現状と将来』(エヌティティ出版、2012年)
杉野健太郎責任編集『アメリカ文化入門』(三修社、2010年)
中野耕太郎「衝撃都市からゾーン都市へ―20世紀シカゴの都市改革再考」『史林』第95巻 第1号(2012年)
中野耕太郎「20世紀国民秩序と人種の暴力―1919年シカゴ人種暴動の検討」『歴史科学』第200号(2010年)
杉田敦『境界線の政治学』(岩波書店、2005年)
アマルティア・セン『アイデンティティと暴力: 運命は幻想である』(勁草書房、2011年)
樋口映美(2007)「アメリカ合衆国の公的記憶から消されるフランス/ハイチ革命の功罪-自由黒人・奴隷蜂起・移住問題をめぐって(1790年代~1830年代)」『専修人文論集』80.
樋口映美「20世紀米国の『カラーブラインド』という遺産―『暴力』の忘却と秩序形成―」『専修史学』第53号(2012年11月)pp. 120-149.

2013年5月13日月曜日

2013年5月8日ピエール・テヴァニアン氏講演会

友人に誘われて、フランスの社会学者で人権活動家として知られるピエール・テヴァニアン氏の講演会に行ってきました。

場所は恵比寿にある日仏会館。
なお、テヴァニアンさんは関西でも講演を行い、8日の後は東京外国語大学と一橋大学でも講演をされています。
いくつかの研究費助成事業が絡んでおり、日本の研究者が彼の活動に多大な関心を寄せていることが伺えます。

なお、講演と一緒に、「スカーフ論争~隠れたレイシズム~」(ジェローム・オスト監督、2004年)というドキュメンタリー映画も上映されました。
最近、日本語の字幕をつけたDVDが発売されたそうで、これもフランスでのスカーフ論争の議論を日本に持ち込む必要があるという、知識人たちの問題意識を示唆しています。

「スカーフ論争」とは、フランスの公立学校においてイスラム教のヒジャーブ(女性が被る布でいろんな呼び方があります)の着用を認めるか否かをめぐる論争であります。
第二次世界大戦後のフランスでは、戦後復興を支える労働力として大量の移民労働者を北アフリカ(主にフランスの旧植民地国でイスラム教国)から導入してきたという歴史があります。
学校でのスカーフの着用という一見他愛のない事柄は、国中を巻き込んだ大論争となってきました。
私はこの論争が2000年以降のものであるという認識していましたが、
1989年から始まっていたことを知って驚きました。
以前紹介したジョアン・スコットによる『ヴェールの政治学』もこの問題を扱っています。

論争に際して反対派・賛成派、政治家、活動家などいろんな意見が飛び交ったものの、
当事者の少女たちの声が取り上げられなかったというところが出発点となり、
映画は、彼女たちやマスメディアが取り上げなかった女性たちの反対運動に光を当てています。

スカーフ禁止論者は、イスラム教徒の少女たちのスカーフ着用は、「政教分離」や「男女平等」というフランス共和国の理念に反すると言います。(*スカーフ着用は、女性にだけ着用を命ずるイスラム教徒内の女性の抑圧であるとの主張があります)
いっぽうで、監督とテヴァニアン氏は、
このスカーフ論争を、禁止論者の謳う理念の問題というよりもむしろ、
「階層格差の拡大や雇用不安を背景とするマイノリティへの差別事件として理解すべき」と主張します。

テヴァニアン氏は講演で、「フランス対イスラム」という二項対立で物事を捉えることの問題性を指摘していました。
どちらも多様で、時代によっても違うものであるし、相容れないものでもない、と。

また、主催者の一人でフランスの移民研究が専門の森千香子氏は、今日の日本における排外主義、特に在日コリアンに対する差別に言及していました。
マスメディアによって新大久保に向かう在特会のヘイト・デモなど、草の根の特殊な人たちによる排斥が報道されるいっぽうで、
ひっそりと、朝鮮学校の補助金が政府によって切られていく。
問題なのは右翼の極端な活動だけではなく、公の機関と草の根の排外主義との共犯関係なのであると。
そして、これも映画やテヴァニアン氏のメッセージと共通するものでありました。

また、質疑応答では、女性の権利拡大や同性婚の成立といったリベラルな動きの中に、新保守主義勢力の台頭と親和性があるのではないか、という意見が出ていました。
まだうまく言語化できませんが、これ最近感じていることだったので、思わずメモを取りました。

というわけで大変行った甲斐がある講演でした。

<メモ書き>
この科研に興味がある:「近代世界の自画像形成に作用する集合的記憶の学際的研究」

2013年5月8日水曜日

特別展「ツイン・タイム・トラベル イザベラ・バードの旅の世界 写真展」

大学内でイザベラ・バード(1831-1904)の展示が開催されているとのことで行って参りました。

イザベラ・バードは19世紀から20世紀初めにかけて生きたイギリス人女性で、
有名な旅行家かつ物書きです。
彼女の多数の旅行記のなかでも1880年頃出版された『日本奥地紀行』(Unbeaten Tracks in Japan)は日本でよく知られており、
鎖国後の日本にやってきた外国人の一人として私も聞き知っていました。

この展覧会は、
京都大学名誉教授で地理学者の金坂清則氏がバードの辿った旅路を彼女の旅行記の記述を頼りに追跡する、
というもので大変ロマンがあります。
また、私は「日本に来た外国人」としかバードを認識していませんでしたが、
彼女は南米と南極以外の世界の大陸を回っており、
大変エネルギッシュな、それこそ今の言葉でいえば「グローバルに」移動する人物であったことがわかりました。
金坂氏がバードの記述や挿絵だけを参考に、彼女が見た景色を現在の中に見つけるというのは、大変な作業だったと思います。
地理学というのはこういうのもあるんだなと、とても興味深く思いました。

いっぽうで、彼女はどうしてそんなに長期で旅行することができたのでしょう(なんと、約50年も旅していたそうなのです)。
お金はどこから出ていたのかしら?
すこぶる金持ちだったとしても、
この旅行の背景には個人の好奇心のみならず、もう少し国家の政治的・経済的利害がからんでいたのではないかしら…なんて友人と話しながら見ていました。
それに19世紀といえば、イギリスは世界中に植民地を持っていたはず。
だからこそ、イギリス人の彼女はいろんなところに行って、通訳を使って、回れたんじゃないかしらー、という疑問も残っているのでありました。

展示は東京大学駒場キャンパスでは6月末まで開催されております。