2012年3月7日水曜日

2012年2月のやっつけ読書

あら、3月ですね。

2月は学年末でレポートに追われ、
第一週目には院生で運営されている小さな学会で研究発表をしたり、
勉強に次ぐ勉強を重ねていました。

と言いたいところですが、
大学時代の友人の結婚式に行ったり、
大学四年間を過ごした北海道に四年ぶりに行って(これについていろいろ思ったことをブログで書きたかった)、
札幌観光して、ニセコでボードして、小樽観光して楽しかったな~。
私は4年間下を向いて歩いていたんじゃないかと不安になるくらい目につく景色が新鮮で感激しました。
もちろん建物の変遷も感じましたが、同じ風景がちがったものに見えるのは、明らかに自分が変わったということなんだろな。
スープカレーもごはん少な目でちょうどよかったし、老けちゃったわ。。

映画もちょいちょい見ているのですが、
いかんせん、記録をさぼっている。
・2/1 真珠の耳飾りの少女
・2/14 トレイン・スポッティング
・2/15 ボディ・ガード←ちょっとしたミーハー
・2/26 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
・2/28 ヒミズ

思いつく限り、書き出してみた。
先日日本アカデミー賞の授賞式をテレビで見ていました。
『3.11』も早く見たいな。レビューしたいのに後回しにしてます。

後は、季節の移り変わりを大切にすることですね。
学校の梅の花はきれいに咲いてます。
節分したり、ひな祭りしたり、相変わらずの浮かれポンチでございます。

いろいろやりたいことはあるのですが、
今年の12月に修論を出すことに勝るものはないのです。

というわけで、週末は友人の結婚式で神戸に行ってきますね♪

1.Joseph Tilden Rhea, Race Pride and the American Identity (Cambridge, Mass.: Harvard University Press, 1997)
2.ピーター・メドフ、ホリー・スクラー著、大森一輝、森川美生訳『ダドリー通り―破壊された街の再生の物語』(東洋書店、2011年)。
3.Eric Foner and Lisa McGirr ed, American History Now (Temple University Press, 2011)

1.Race Pride and the American Identity
黒人に対する差別撤廃運動から始まった公民権運動は、
黒人の男女に選挙権を与え、人種による差別を禁止する法律を成立させたことで完了と見なされがちです。
とはいえ、法律だけでは社会における黒人の地位は変わりませんでした。
また公民権運動に触発され、他のマイノリティも自分たちの文化をアメリカ社会に認識させる運動(これを著者は「人種の誇りを求める運動(Race Pride Movement)」と呼びます)を展開していきます。
先住民、アジア系、ラティーノ、そして黒人それぞれの文化的平等を求める動きを扱ったのがこの本です。

2.『ダドリー通り』
ボストンの人種マイノリティ・コミュニティ(黒人、ラティーノ、カボベルデ系など様々)が、
ゴミ溜めにされ放火の被害に遭い、荒廃していた居住区を自分たちで再生させていった運動の物語です。
あとがきで訳者が言うように、ダドリーの事例は
「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」の実践例であり、
パットナムが『孤独なボウリング』で論じた、「人と人との関わりおよび個人と社会との関わりの度合いが
その地域の政治的・経済的健全さ(民主主義の成熟・経済発展)の基底要因になるとして、
そのような『積極的な社会参加と責任を持った関わり』は、
どのようなときに・なぜ衰退してしまうのか、
それを地域に復活させ/芽生えさせ、さらに根づかせるには、いったいどうすればいいのか。
本書は、この問いに対するひとつの、そして見事な解答となっている」(P337)
と思います!

3.American History Now
20年ぶりに出させれたアメリカ歴史研究者らによる研究史の論文集。
これはゼミで読みました。
パラダイムシフトというのは、10年から20年かけて漸近的にやってくるものではありますが、
前の時代も知っていて同時代的に経験した人から見れば、一大転換であったのでしょう。
文化史の興隆、女性史からジェンダー史、そしてクイア研究へ、
トランスナショナルやディアスポラといった概念、
20世紀末になって脚光を浴びる先住民研究などなど、
大学教育を受け始めてからすでにそのような「新」概念に晒されてきた身としては
残念ながらそれほどの衝撃は受けなかったのですが、
挙げられている膨大な参考文献は今後の宿題となりました。
Mae Ngaiという研究者が担当する移民史の章を先日発表したばかりなのですが、
この論集のなかで一番お気に入りです。

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