2011年9月17日土曜日

第15回レインボーマーチ札幌イヴ

明日、9/18(日)は、レインボーマーチ札幌の第15回が開催されます。

性的少数者、その家族、あるいは当事者ではない「普通の」人々が、
性的少数者に対する理解を広げるため、札幌の街を歩きます。

参加者が最近増えないと聞きますが、
毎年継続できているということがいかにすごいことか敬意を払わずにはいられないです。

結局私は大学4年の夏に歩いたのが最初で最後になってしまっていますが、
今年は応援団としてメッセージを本名で載せています。

リベラルな街札幌は、何でもすぐ受け入れてしまうと批判したいことはたくさんあるのですが、
マイノリティが戦略的に生き延びて行く場としては、
結構やさしい街だと思います。

「サッポロで歩く→ナニカが変わる」は、公式HPの写真にもありますが、
まさにこのパレードの象徴。

個人的に思い出深い街であり、
また今自分は都市景観の記憶について研究しているということもあり、
今夜は何となく感慨にふけってしまいます。

お〜っと、夕方図書館で小説にうつつを抜かしてしまったので、
挽回するのじゃ!

2011年9月11日日曜日

三頭山_0910

最近気分が晴れず、2か月の夏休みをあまり生かして切れていないという反省もあり、
ちょっぴりモヤモヤしておりました。。

思えば、2月に硫黄岳に登った以来、山登りもせず(これは地震のせいにもしますが)半年以上過ごしてしまい、どこが山ガールなのだと、カツを入れる気持ちで、
日帰り登山に行ってまいりました。

いつも山仲間のK崎君の後ろをついて歩くばかりでしたが、
今回は図書館で『奥多摩・高尾をあるく』(JTB,2003年)という本を借り、
その中で三頭山という山に登ることに決めて、
本の通りのコースを歩いてきました。

最初は面倒だったり勇気がいったりして億劫なのですが、
旅行と一緒でやってみればやはり自分で計画した方が、
どこを歩いているという意識も違って俄然わくわくする。

行程:
武蔵五日市駅→バス→都民の森入口→三頭大滝→ムシカリ峠→三頭山→西原峠→仲の平(温泉)→武蔵五日市駅

山登りは初期投資が結構かかるのですが(私は社会人一年目のボーナスをほとんど費やしていました)、
日帰り登山であれば、底の分厚い靴とリュックがあればとりあえず大丈夫です。

今回の費用は、
・電車賃が私の最寄り駅の場合、片道580円
・バス代、片道910円
・温泉:800円
多少買い食いしても5000円以内で収まります。
おにぎりは家から握っていきました。水も持参。
学生でも月1くらいならしてもいい贅沢です^_^


バス停を降りてすぐ、都民の入り口にて。
髪を切ったら今まで以上に帽子が似合わなくなり、
この写真のために反対に被って「蕎麦屋のおばちゃん」風。
この後、速攻帽子はリュックにしまいました。意味なし!


お花です。
ほかにもレンゲとかチクチクするひっつき虫がいました。



つり橋から見た三頭大滝。


三頭山は山梨県と東京都の県境。


こちらは東京都。


やはり、帰りの温泉が実にいい。
檜原温泉センターの写真も撮るべきでした。「数馬の湯」です。
帰りのバスで、汗臭い人たちに囲まれて、きれいになった私はちょっとした優越感を味わえました。

リンスインシャンプーのおかげで髪の毛がチリチリだったことは秘密です。

2011年9月6日火曜日

まとめ_アレックス・ヘイリー著、松田 銑訳『北極星をめざして』

アレックス・ヘイリー著、松田 銑訳『北極星をめざして』(1989年、社会思想社)
A Different Kind of Christmas, 1988

時は南北戦争直前の合衆国。
ニュージャージー州のプリンストン大学へ入学した南部の奴隷主の息子、フレッチャー・ランドールは、学生同士の不和を訴え、寮を変えてもらった。
新しい寮で友人になったのは、ペンシルベニア州フィラデルフィア出身で、クウェーカー教徒の三兄弟。
クウェーカーは平和主義で、黒人解放運動の担い手になったことでも知られている。
彼らの人種観にかたくなに抵抗しながらも、故郷への招待をフレッチャーは受け入れた。
とはいえ、フィラデルフィアで黒人に握手を求められる体験などし、やはり、すっかり怒って帰ってくる。
彼の心はかき乱され、クウェーカー三兄弟とは付き合いをやめるものの、勉強が手につかなくなりかつての成績優秀さは崩れ、これまで当然視していた白人と黒人の違いについて考え始める。
なお、授業で取り上げられた文章に感動したとき、彼はその書き手を合衆国憲法の起草者の一人かと考えたが、それがフレデリック・ダグラスという黒人であると聞かされたとき、非常に驚いた。
そして、この「事件」をきっかけに、彼はそれまでの人生とはまったくの逆方向、すなわち、地下鉄道(19世紀中頃から奴隷の黒人を解放させる目的で、主に南部から奴隷制を禁止している北部の州ややカナダへ秘密に送った動き。)の協力者となるのである。

「人間家族のほとんどすべての人種から構成されている……わが国のような複合国家においては……法の前におけると同じく……貧富の差、身分の高下、黒人、白人の区別があるべきではなく……万人に対して……一つの国家、同一の市民権、平等の権利、そして共通の運命が存在すべきものです。
 もっとも有名でない庶民に対しても……その生活権と、その自由と幸福を追求する権利とを・・・・・擁護することができない政府……あるいは守ろうとしない政府は……ただちに改革するか、あるいは打倒すべきです」
75頁

フレッチャーを変えたのは上記の文章であった。

合衆国憲法は革命論やキリスト教思想など様々な要素を持ち合わせているが、個々の要素だけを抜粋すると、保守とリベラルのように、まったく矛盾した主張になる。
ダグラスをはじめ、多くのマイノリティは、革命論を運動の中心に据えて、アメリカニズムを権利獲得の礎にしてきた。

2011年9月5日月曜日

書評_マルコムX著、アレックス・ヘイリィ執筆協力、浜本武雄訳『マルコムX自伝』


マルコムX著、アレックス・ヘイリィ執筆協力、浜本武雄訳
『マルコムX自伝』(アップリンク、1993年)
Amazonへのリンクはこちら

「私は兄弟たちのなかでいちばん色が白かった(後にボストンやニューヨークで実社会の生活をしているうちに、私は、色がいくぶん白いということが、あたかも何らかの地位を象徴するものである  そのように生まれつくとは、本当に運がよいことだ、と思い込むほどに頭のイカれてしまっている黒人たちの仲間入りをしていた。だが、さらに後になってからは、私の体内にある白人の強姦者の血の一滴一滴を憎むようになった)。」
22

さて、これから話を始めるのはマルコムXという1960年代にアメリカ合衆国でよく知られ、黒人解放運動に貢献した一人の男の人生を語る最も有名な書物についてである。

長いですが、読んでくれると嬉しいです。

2011年9月4日日曜日

まとめ_堤 未果『ルポ 貧困大国アメリカ II』

未果『ルポ 貧困大国アメリカ II』(岩波書店、2010年)→Amazonへのリンクはこちら

キャピタリズム(資本主義)よりもコーポラティズム(政府と企業の癒着主義)を問題化し、
その犠牲者を丹念に取り上げる

1.学生:膨らむ学資ローン

2.高齢者:会社の不景気で突然消える年金など社会保障

3.保険加入者:保険会社による適用拒否と製薬会社による薬の値上げ。
また保険を実際売っている人は契約社員であり福利厚生で自社の保険に入れないというのだから笑ってしまうが恐ろしすぎる。

4.刑務所労働者:「スリーストライク法」による終身刑と最低賃金を大幅に下回る過酷な労働

どれもが民営化の皺寄せである。
マイケル・ムーアがしつこく批判したようなブッシュ政権の圧政が終わった今も
状況は悪化している。
「チェンジ」はオバマに期待するものではなく、
市民一人一人が彼を見守り(あるいは批判的に監視しながら)
起こしていくものだと結んでいる。

非常に暗い話ばかりだが、日本で暮らす私にも他人事ではない。

2011年9月3日土曜日

2011年7月&8月やっつけ読書

●7月
Jonathan M. Schoenwald, A Time for Choosing: The Rise of Modern American Conservatism (Oxford UP: New York, 2001).
こわーい先生のゼミで泣く泣く読み終えた思ひ出の一冊。

●8月
・堤 未果『ルポ 貧困大国アメリカ II』(岩波書店、2010年)
・マルコムX著、アレックス・ヘイリィ執筆協力、浜本武雄訳『マルコムX自伝』(アップリンク、1993年)
・アレックス・ヘイリー著、松田 銑訳『北極星をめざして』(1989年、社会思想社)
原題は、A Different Kind of Christmas, 1988

これら3つに関しては、近日まとめを掲載していきます。
なお、『マルコムX自伝』に関しては書評を作成中。
残念ながら、4000字越え確実。。

夏休みに入った8月は、2本のレポート作成と通史をやる、ということに重点を置きました。
Alan Brinkley, American History: A Survey (New York: McGraw-Hill, 2009)
は読み終えました。400ページは読んだわよ!!
内容をまとめておくとよかったのかもしれないが、時すでに遅し。

歴史学に首を突っ込んだ者から申しますと、
歴史というのはどうしても、主観が入ってしまうものなのですが、
Brinkleyの記述は概ね「ニュートラル」で好感が持てます。
英語も私が読めるほど平易なので、
学部生でも初学者でもお勧めです。