2013年5月8日水曜日

特別展「ツイン・タイム・トラベル イザベラ・バードの旅の世界 写真展」

大学内でイザベラ・バード(1831-1904)の展示が開催されているとのことで行って参りました。

イザベラ・バードは19世紀から20世紀初めにかけて生きたイギリス人女性で、
有名な旅行家かつ物書きです。
彼女の多数の旅行記のなかでも1880年頃出版された『日本奥地紀行』(Unbeaten Tracks in Japan)は日本でよく知られており、
鎖国後の日本にやってきた外国人の一人として私も聞き知っていました。

この展覧会は、
京都大学名誉教授で地理学者の金坂清則氏がバードの辿った旅路を彼女の旅行記の記述を頼りに追跡する、
というもので大変ロマンがあります。
また、私は「日本に来た外国人」としかバードを認識していませんでしたが、
彼女は南米と南極以外の世界の大陸を回っており、
大変エネルギッシュな、それこそ今の言葉でいえば「グローバルに」移動する人物であったことがわかりました。
金坂氏がバードの記述や挿絵だけを参考に、彼女が見た景色を現在の中に見つけるというのは、大変な作業だったと思います。
地理学というのはこういうのもあるんだなと、とても興味深く思いました。

いっぽうで、彼女はどうしてそんなに長期で旅行することができたのでしょう(なんと、約50年も旅していたそうなのです)。
お金はどこから出ていたのかしら?
すこぶる金持ちだったとしても、
この旅行の背景には個人の好奇心のみならず、もう少し国家の政治的・経済的利害がからんでいたのではないかしら…なんて友人と話しながら見ていました。
それに19世紀といえば、イギリスは世界中に植民地を持っていたはず。
だからこそ、イギリス人の彼女はいろんなところに行って、通訳を使って、回れたんじゃないかしらー、という疑問も残っているのでありました。

展示は東京大学駒場キャンパスでは6月末まで開催されております。

0 件のコメント:

コメントを投稿