2015年2月12日木曜日

「ムーミン谷の彗星」

ビョークが主題歌を歌っているというので、「ムーミン谷の彗星」という映画を見てきた。
私は渋谷のユーロスペースで見たけど、2月末から池袋のシネ・リーブルでも上映されるそうな。

ムーミンの作者トーベ・ヤンソンが女でレズビアンであることを知った。
フィンランドでは少数派のスウェーデン系であり、
生まれた時にはフィンランドはロシア帝国の一部で、1917年の独立後に内戦もあり、激動の時代を生きた人物。
1945年にスウェーデン語でムーミン谷の話を書いた。

ムーミンといえば北欧、あるいはフィンランド、
フィンランドといえばサンタさんと、ムーミン、あるいはかもめ食堂、と思うのは私だけだろうか。
トーベ・ヤンソンがスウェーデン系であることは、在日韓国人の小説家、柳美里が以前雑誌のコラムでも書いていた。

フィンランドの中では「他者」であるヤンソンの作品が、フィンランドという国家を代表しているという、変なギャップ。
少し前にある研究会で、音楽など文化的な表象の中ではマイノリティ/抑圧された人々、内的な他者がナショナリズムの代表になることがある、という議論を聞いた。
スペインのフラメンコは元々ジプシー(スペインではヒターノ、今日のポリティカル・コレクトネスを適用すればロマと呼ばれる人々)の文化だったし、
ブルースやヒップホップは、米国の象徴でありながら起源は黒人である。

表象と空間の関係について、地理学者Dreen Masseyの言っていることを理解できればいいのだけれど、さっぱりわからない。
でも彼女はいつだってラディカルでアナーキーで素敵だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿