2011年11月28日月曜日

安武秀岳『自由の帝国と奴隷制』

安武秀岳『自由の帝国と奴隷制―南北戦争前史の研究』(ミネルヴァ書房、2011年)

1936年生まれのおじいちゃんの本。
この世代の人には貴重な歴史観の持ち主。
つまり、従来歴史というのは客観的事実で…とされてきたが、
彼は歴史家の個人的な経験やルーツが
研究テーマやその方向に大いに影響し得るという考え方の持ち主で、
私は「うんうん」と頷くことばかり。
この本は論文集で、
著者の関心は1830年代など19世紀前半にあり、
私の関心よりもずいぶん古い時代なのだが、
情熱をもって研究するに値する面白さがひしひしと伝わってきた。
何よりも、分厚い註釈から彼が並々ならぬ批判的な読書をしてきたことが伝わってくる。
紙面だけで恋に落ちました。

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